たとえば、まだ付き合っていない相手から、思いがけず高そうなプレゼントを渡されたとき。「うれしい。でも、受け取ったら同じくらいのお返しが必要?」「気持ちに応えるつもりだと思われないかな」と、返事に迷うことがあります。
困っているのは、物そのものよりも、受け取ることで何かを約束したようにならないか、という点かもしれません。相手を嫌いなわけではなくても、今の関係では重く感じる贈り物もあるでしょう。
そんなときは、選んでくれたことへのお礼と、受け取るかどうかの返事を分けて考えてみてください。この記事では、デートや付き合う前のやり取りを中心に、迷う理由を整理し、受け取る・断る・少し考える、それぞれの伝え方を紹介します。
贈り物をもらっても、素直に喜べないのはなぜ?
「せっかく選んでくれたのに、断るのは悪いかな」。そう考えて返事ができなくなったら、まず何が引っかかっているのかを言葉にしてみましょう。次の6つは、迷いを整理するための例です。相手の心理を判定するチェックリストではありません。
今の関係で、この贈り物を受け取ってよいか迷う
何度か会っただけで、これからも会いたいかはまだ分からない。そんな段階で特別な物を渡されると、受け取ることまで先に決めてよいのか迷う場合があります。「受け取ったら、交際する気があると思われそう」という不安があるなら、今の気持ちと贈り物の返事を一緒に伝える方法があります。
お返しや、次に会うことが負担になる
自分の予算では同じくらいの物を返せない。お返しのために、次に会う予定を作らないといけない気がする。そうした負担が先に浮かぶと、喜ぶより困ってしまうこともあるでしょう。
ただし、受け取っただけで、お返しや次のデートを約束したことにする必要はありません。相手が何も求めていない場合もあります。自分の心配と、実際に求められていることを分けて考えます。
期待を持たせたくない
交際を考えていないのに受け取ると、期待させてしまうのではないか。この場合は、贈り物を断るだけでなく、関係を進めるつもりがないことも伝えるかを考えたい場面です。「今は受け取れない」だけでは、時期を変えればよいという意味で伝わるかもしれません。
贈り物にかける金額の感覚が違う
相手にとっては無理のない金額でも、自分には高価すぎることがあります。会うたびに同じような贈り物が続くと落ち着かないなら、「今後も高価な贈り物は控えてほしい」と、自分が心地よく付き合える範囲を伝えられます。
好みや置き場所など、生活に合わない
物を増やしたくない、すでに同じ物を持っている、使う場面がない。恋愛感情とは関係のない理由で困ることもあります。こうした事情で断る場合に、相手への好意まで否定する説明を加える必要はありません。
見返りを求められそうで、落ち着かない
「買ってあげたのだから会って」「断るなんてひどい」と言われたら、物を受け取るかどうかより、望まない要求にどう対応するかが問題になります。贈り物だけを見て相手の意図を決めつけることはできませんが、実際に圧力を感じる言動があるなら、無理に受け取ったり、二人きりで話し続けたりしなくて構いません。
返事の前に、「物」と「相手への気持ち」を分けてみる
理由が見えてきたら、「この物は受け取りたいか」「この先の関係をどうしたいか」を別々に考えます。相手とはまた会いたいけれど高価な物は困る、という返事もあれば、物の金額にかかわらず交際の期待には応えられない、という返事もあります。
両方を一度にうまく言おうとすると、必要以上に長い説明になりがちです。まず受け取るかを決め、誤解されたくない点があれば一言添える、という順番で言葉を選んでみましょう。
迷ったら、この4つを分けて考える
- 引っかかりを知る関係・予算・生活の、何が気になる?
- 自分で選ぶ受け取る・断る・考える時間を取る
- 返事を伝えるお礼と、受け取るかの答えを言葉に
- 約束を確かめるお返しや交際まで引き受けていないか
受け取りたいときは、うれしかった点をそのまま伝える
自分が受け取りたいなら、気の利いた感想を用意しなくても大丈夫です。たとえば、自分の好きな物を覚えていてくれたのがうれしいなら、そこを言葉にできます。
ありがとう。これが好きだって覚えていてくれたんだね。うれしい。
中身をまだ見ていないなら、気に入ったと先に言わず、「ありがとう。今、開けてもいい?」でも自然です。自宅でゆっくり開けたいなら、その希望を伝えます。
物は受け取りたいけれど、お返しの金額が気になる場合は、たとえば「ありがとう、うれしい。ただ、同じくらいのお返しは難しいんだけど、それでも受け取っていい?」と相談できます。この聞き方が自分に合わなければ、そのまま使う必要はありません。受け取るか迷いが残るなら、少し考える時間を取る方法もあります。
断るときは、何を断りたいのかに合わせて言葉を選ぶ
以下は、そのまま読むための正解ではなく、言葉を考えるための例です。普段の話し方に合わせて、親しい相手なら短く、距離のある相手なら丁寧に言い換えてください。
また会いたいけれど、贈り物は高価すぎるとき
選んでくれてありがとう。でも、こんなに高価な物は受け取れないんだ。会えるだけでうれしいから、これからは贈り物はなしにしよう。
「会えるだけでうれしい」は、本当にそう思っている場合に添える言葉です。また会うつもりがないのに、断り方を柔らかくするためだけに加えると、別の期待を持たせかねません。
付き合うことへの期待には応えられないとき
選んでくれてありがとう。ただ、私はお付き合いする気持ちにはなれません。この贈り物も受け取れません。
これは、相手が好意を伝えているなど、関係についても返事が必要な場面の例です。贈り物を渡されただけで「交際を求められている」と決めつける必要はありません。
好みや生活上の理由で受け取れないとき
ありがとう。ただ、今は家の物を増やさないようにしていて、これは受け取れないんだ。選んでくれたのに、ごめんね。
理由は、本当のことだけで十分です。納得してもらうために、持っていない物を「もう持っている」と言うなど、後から困る説明を作る必要はありません。
すぐに決められないなら、考える時間を取る
驚いて気持ちが追いつかない、なぜ自分に選んでくれたのか聞いてから考えたい。そんなときまで、その場で答えを出そうとしなくても構いません。
ありがとう。急なことで、今すぐには返事ができないんだ。受け取るか少し考えたいから、今日は持ち帰ってもらってもいい?
この言い方は、本当に迷っている場合の例です。すでに断ると決めているなら、「考える」と保留にするより、受け取れないことを伝えるほうが、自分の返事に合っています。
自分が贈る側なら、返事から好意を決めつけない
ここまでのように、断る理由には、関係の段階だけでなく、予算や生活の事情もあります。断られたことだけで「嫌われた」、受け取ってくれたことだけで「脈あり」と判断しないことが大切です。
断られたら、まずは「分かった。伝えてくれてありがとう」と受け止めます。「もう買ったから」「せっかくだから」と勧め直すより、受け取らないという返事を尊重しましょう。これから選ぶなら、物を贈ってもよいか、相手の負担にならないかを先に相談する方法もあります。
お礼と、自分の返事を分けて伝えよう
お礼を言いたい気持ちと、受け取るかどうかの返事は分けて考えられます。うれしくて受け取る、物は断る、少し考える。どれを選ぶ場合も、自分が引き受けたいことと、まだ決めていないことを区別して伝えてみてください。
まず「何が気になるのか」を一つ見つけてみてください。高価すぎるのか、物が増えることなのか、この先の関係への期待なのか。そこが分かれば、今の自分に合う返事を考えやすくなります。

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